(ハリル側弁護士事務所をソースとした)報道によれば、本日5/24が提訴予定日となっています。
経緯
ハリルホジッチ前日本代表監督が、日本サッカー協会から突然の解任を受けたのは4/9。会見を開いたのは4/27でした。
協会側は、解任の理由を「選手とのコミュニケーション不足」としています。これに対しハリルホジッチ氏は不明確であるとして反発し、会見を開き、提訴の意思も示しました。
あれから1か月近く経ちました。
多くの人々が指摘する通り、私もW杯を直前に控えたこの解任劇には疑問を抱かざるをありませんでしたが、誰よりも疑問を抱いているのはハリルホジッチ本人なのでしょう。
文頭に書いた通りなら、本日5/24提訴がなされるでしょう。
追記:なされました
と思ったら執筆中に提訴されてたんですね。セーフセーフ、タイムリータイムリー。https://t.co/dChyR2t9bk
— ロンダ東大院生ブロガー (@juggle_both) 2018年5月24日
どのような方向に着地するのでしょうか。
その前に気になったことがありました。
それは、ハリル側の弁護団の有能さです。
ハリル側弁護士
今回、ハリル側の弁護を務めるのは、LPA弁護士事務所というところです。
当事務所は、リヨネル・ヴァンサン及び金塚彩乃により設立された事務所を母体とし、2015年にフランスのLefèvre Pelletier & associés と提携をし、名称を「ルフェーブル・ペルティエ・エ・アソシエ外国法事務弁護士法人 金塚法律事務所(外国法共同事業)」と改めました。日本における唯一のフランス系法律事務所として、日仏関係を初め、ヨーロッパや北アフリカを含め、幅広く渉外案件及び企業法務案件を扱うほか、訴訟事案にも対応しております。
日本、フランスをはじめとした国際間の渉外弁護士事務所みたいですね。
設立者のリヨネル・ヴァンサンさん、金塚彩乃さん、どちらも異次元の頭の良さです。
2人ともフランスと日本での弁護士資格を持っている。国際弁護士事務所なので、当たり前っちゃ当たり前なんですが、ただでさえ難しい司法試験を国・言語を変えて2つもパスできるものなんですかね・・・
フランスの大学・司法試験事情はわかりにくいのですが、
金塚綾乃さんは、東大法学部を卒業し、すぐに弁護士登録しているのでわかりやすくエリートですね。(司法試験は既卒3~5年かかる人もいる世界なようなので)
ちなみに、こちらのブログ記事がフランスの大学事情についてわかりやすくわかりにくさを伝えてくれていますw
そんな2人の敏腕弁護士のいる事務所に頼み、提訴するハリルホジッチ氏。どんな勝利を目指しているのでしょうか。
争点
ハリルホジッチ氏は、日本サッカー協会に対し、
名誉毀損(きそん)による慰謝料を「1円」に設定し、謝罪広告掲載を求める方針
だそうです。
これは、お金はどうでもいい、解任によって自身の名誉を傷付けられたから、サッカー協会に過ち認めさせ、名誉を回復するための訴訟なんだ、という意思の表れですね。
実際、ハリルホジッチ前監督は、過去にもコートジボワール代表監督だった時期に、W杯直前で解任された経験を持っており、2度の直前解任は今後のキャリアを考えても受け入れ難いという事情もあるのでしょう。
勝ち目はありそう?
これについて、いくつかの弁護士が解説しているサイトを見たところ、事実関係が不明なため「結局はわからない」との答えが多かったですね。
しかし、仮定的に結論を述べている方もいらっしゃいました。
契約内容の詳細が不明なため確実なことは言えませんが、現状判明していることだけを見ると、慰謝料や名誉毀損が認められる可能性は低く、契約上の在任期間に受け取るべき報酬を請求できる可能性は高いようです。
先に述べたような超優秀な国際弁護士2人を率いても敗訴する可能性が高いのか!?とガッカリしてしまったところもあるんですが、そういえば、相手側(日本サッカー協会)の弁護士団も気になるな、と思って日本サッカー協会のHPを見たところ、なんとも納得させられる感じに。
日本サッカー協会側弁護士
どうやら日本サッカー協会には常設の司法機関が存在しているらしい。

その機関は規律委員会、裁定委員会、不服申立委員会から成り立っており、ちょっとggってみたら、明記はなかったものの、役割からして、訴訟に対応するのは不服申立委員会なのかな?
ふむふむ、總山哲弁護士が委員長か、検索検索ゥ!
おっ、弁護士事務所が出てきたぞ

あっ・・・(察し)
ヤメ検弁護士は有能、というのはペルソナ5で学んだことですが、最高検検事経験者とかいうもはやラスボス感ある肩書。
ちなみに、他の委員長お二方も、任官経験者、ハーバード卒の弁護士会お偉いというラスボス的肩書でした。


ってか当たり前のように東大法学部卒なのやめロッテ!日本サッカー協会は早稲田閥とかいう噂はいったい・・・
いわば、ちょうつよいvsちょうつよい の訴訟ですね(あたまわるい)。戦闘力のインフレが凄い。
これがヤムチャ視点か。
実際にこのラスボスたちが訴訟を進めるのかは不明ですが、仮にそうでないとしても、コネクションも人材も豊富だと思うので結局は似たような有能が訴訟を進めることになるでしょう。
ハリル側、頑張って!
※凄すぎて及ばない人達の戦いを見ると、全く実感がわかず、漫画やアニメを見ている気分になってしまうんですね。茶化す意図はありません。
私見
弁護士の客観的な経歴(あんまり関係ない?)、および弁護士の意見を参考にすると、ハリル側の主張は難航するものなのかな?と。
ですが、突然の解任に対し、こうして訴訟を提起された時点で、日本サッカー協会に対する国民の不信感は高まるはずです。
ハリルホジッチ監督が協会に一矢報いようとする意図も持ち合わせて訴訟を提起しているのであれば(というか多分そのはず)、訴訟提起時にその点は実質的に達成されると考えていいでしょう。
以前からサッカー協会を見てきたひとりとして、私もこの一件で代表及びサッカーファンにとってベストな体制に向かえばいいと思っています。
その意味では、訴訟提起にも意味があるはずです。
また、先に引用した弁護士がいうように、両者の意見をぶつけ合って和解するという方法もあるので、勝ち負け、シロクロ付けるよりももっと良い方向に向かえばいいですね。これは双方の有能弁護士にかかっているでしょう。
とりあえず、ごたごたしてるけどサッカー日本代表ガンバレ!